僕は君だけを見つめてる


「すぐ救急車が来ますから」

電話を切ったその人は側まで来てしゃがんで声をかけてきた。

「本当に申し訳ないです。大丈夫ですか?」

「………」

「…大丈夫…な訳ないですよね…ごめんなさい」

声を発しない私に言った。

痛みと寒さで問いかけに応える事も出来ない。


ピーポーピーポー

遠くから救急車が走ってくる音が聞こえる。


(…何か……眠くなってきた)

痛みで意識が遠退きだした頃、救急車の音が近くで止まった。

足音が近付いて横になっている私の側でしなくなった。