僕は君だけを見つめてる

生産者の人達に悪いからって何でも残さずに食べなさいって言われて育ったから。

体がアレルギー反応を起こさなければ大抵の物は食べたり飲んだり出来る。

「……じゃあ…トマト」

「貰うね」

お皿の端に避けられたトマトを箸で掴んでお弁当箱のフタの上に乗せた。

「いただきます」

半月状にカットされたトマトを頬張る。
ちょっと固いけど甘くても美味しいトマトだ。

苦手なトマトを食べずに済んだ彼は安心した顔をして残りのサラダを完食した。