僕は君だけを見つめてる

半分近く食べ終わったカレー。
綺麗に盛りつけられた生野菜たっぷりのサラダもちゃんと食べてる。

そのサラダの中に手をつけずに残されている野菜が1つ。

「…トマト」

レタスやブロッコリーは食べてるのにトマトだけはお皿の端に避けて食べられる気配がない。

「ん?」

口から出ていたらしくカレーを食べていた手を止めて顔を上げた彼が私を見て首を傾げた。

不意にされた仕草に固まった私に彼が問いかける。

「どうかした?」

未だに首を傾げた状態で聞く彼に平静を装って聞いた。