俯いて目を合わせてくれない彼を見つめる。
耳が真っ赤になってる。
そんな彼を見たらこっちまで俯いてしまう。

「本当にありがとう。…じゃあね」

目線を下げて告げる。
その場に居られなくなって角を曲がって走り去った。

保健室のドアを開けて中に入ってへたり込む。

「…体熱い」

密着していた体が火照ってる。

「タオルが…ない」

ぶつかった時に落とした?
走り去った手前取りに戻る勇気はない。

「何だったんだろう?」

考えても答えは出そうにない。