僕は君だけを見つめてる

それでも近くで彼に会える。
こんなに嬉しい事は無い。

「莉ー央。愛しの彼はどうだった?」

涼華が授業を終えて窓に寄りかかりながら聞いてきたのでウォークマンを停止してヘッドホンを外す。

「んー?今日も楽しそうだったよ。持久走だしね」

「得意分野じゃん!それはそれは輝いてたでしょうに」

ええ。それはもう。

「外見てる莉央難しい顔してたけど、なんかあったの?」

明日の事を考えて不安になってたとは言い辛い。

「ちょっと考え事しててさ」