「もう大丈夫!普通に走れたし。ちょっと休憩」

地面に座り込む。

「まだ気付いてないようだからヒントあげる」

隣にしゃがみこんで涼華が耳打ちする。

「ヒント?何の?」

「何の?じゃないわよ!県大会の時に私が言った事忘れたわけじゃないでしょ」

県大会の時…あれか。

「忘れたわけじゃないけど、何回考えてもよく分からなくて諦めた」

「だからね、ヒントあげるって言ってんのよ」

「難しい事言われても分かんないもん」