「まっさかぁ! 純粋に、心配してくれとるだけやろ~」 そうよね、あの人が あたしを狙っとるなんて …ありえへん。 あ、でも名前…。 何であたしのこと、名前で 呼んだりしたんやろ。 …よくわからん人。 あたしは窓の外を眺めた。 遠くから、セミの鳴き声が かすかに聞こえる …もうすぐ夏だ。