冷たい声があたしに向けられた。


「あんま詳しい事は言えへんけど…
俺は、付き合ってほしくない。
ヤった後すぐ捨てられるぞ」


要は、体目当てだと言う。


五十嵐くんはあたしに
1枚の紙を手渡した。


「あいつのことで何かあったら
いつでも連絡して」


あたしは何も言わずに受け取った。 
そして彼は、あたしを置いて
立ち去る。




「…茉莉花、遠慮すんなよ」


振り向きざまに言われたその言葉に
大きく心臓が飛び跳ねたのには、
気づかないフリをした。