「…あれ、透くんやっぱりまだ来てない。」
透くんの席と思われる席が空いており、教室に姿が見えない事からそれは確かな事なのだろう。…所々空いてる席は今日も追っかけに勤しむ女の子達かな?
「女の子達に巻き込まれちゃったのかな?ふふっ、凄いよね、秋風くん。」
「ホント…モテるって辛いね…。」
「あら、本山さんも男の子には随分人気があるって聞いたけど?」
「あーそんなのウソウソ、皆あたしの事美化して見過ぎだよ。」
「…ふふっ、可愛いと思うんだけどなぁ。本山さん。秋風くんと一緒にいる所見るとまぶしくてまぶしくて…学校自慢の美男美女だよねっ!」
「それ誰かにも言われた様な…。」
なかなか話しやすい友達ができたと思った。基本誰とでも仲良くなれる精神絵里子にとって唯一苦手な部類『ガリ勉』の偏見もなくなりそうだ。