「あれっ、花奏じゃん。それに絵里子ちゃんも。」
噂をしていれば何とやら。後ろから噂の秋風くん…と、沢山の女の子達がやって来た。
「おっ、透!タイミングの良い所に…!どうせもう新しいクラス見たんでしょ?」
「当たり前だろ?いやー、やっぱり俺一緒のクラスになれると思ってたんだよねー。絵里子ちゃんと。」
「だよねっ!絵里子、学年でもトップクラスだもの!」
「あたしの成績盛るのやめてくれる!?ねぇ花奏ぇ…クラス変えようよぉ〜…」
「だーめっ、絵里子はこのクラス以外に入る場所なんてないのっ。それにあたしは私立クラスなんだからどう頑張ったって交換のしようがないでしょ?」
「せめて花奏も同じクラスになろうよぉ〜!」
「こらこら、泣かないのっ!大丈夫だって!絵里子、誰とだって仲良くなれるんだし!すぐこのクラスにだって馴染めるよっ!私、頻繁に遊びに行くから!」
「やべぇ、絵里子ちゃんって泣いた顔も可愛いんだな!写メ撮っとこ!」
「お前は黙ってろ変態!」
花奏は秋風くんに軽快な蹴りを入れていた。それを見て黄色い歓声を上げている女の子達を見ていると皆は彼の何が好きなのだろう…とつくづく考えてしまう。…あんなに元気なのに。とても一年後には死んじゃうなんて考えられない。