別に興味がないなんてことはない。あたしも彼の周りにいる女の子達と考えている事は同じだと思う。かっこいいなぁ…と。でも他の女の子と何が違うって、あたしみたいな出来損ないの女が何もかも完璧な秋風くんに話しかけるなんて失礼に値する。だからあたしはいつも女の子に囲まれてニコニコ笑っている彼を遠くから見つめているのだ…。
「んじゃ、そろそろ始業式だし行くわ。後で返しに来るわ、じゃあなっ☆」
カンカンに怒っている花奏にこれ以上ないってくらい素敵な笑顔で手を振っている。幼馴染みって仲良いんだか悪いんだか…さっさと帰れと蹴飛ばされてもなお秋風くんは笑顔が絶えない。きっと相当花奏の事が好きなんだろうなぁ…