透はあの時、家に帰った直後に倒れて緊急搬送されたらしい。再入院で学校には来れず、しばらくまた面会禁止の状態が続いた。透の身体が心配な気持ちと会えなくて寂しい気持ちが混在して、学校でも憂鬱な日々が続いた。
ある日、教室でボーッとしてたら花奏が遊びに来てくれた。
「…透とのデート、どうだった?」
「あれっ、花奏にまだ話してなかったっけ?」
「絵理子が報告してくれなかったから…気になって仕方がなかったんだからっ!」
「ごっ、ごめんごめん…色々忙しかったもんね…。」
「…そうだね…。」
透の再入院を心配するのはあたしだけじゃない。もちろんクラスの子達も心配してたけど…。
「早く…元気になるといいね。」
「せめて面会だけでもさせてもらえないかしら…。」
そんな話をしている最中、花奏の携帯が鳴る。
「…病院からだ…透に何かあったのかしら!?」
「なっ…何だろう…!?」
花奏が教室を出て行き、廊下で通話をし始める。あたしもドキドキが止まらない。もしも透が…なんて連絡だったらどうしよう!?
教室に戻って来た花奏は真剣な表情だった。…何だろう、どんな連絡だろう?
「絵理子、透が…貴女に会いたいそうよ?」