世界一遠距離恋愛

「言ったろ?俺は親父もお袋も大っ嫌いだって。…うじゃうじゃいるメイドも大っ嫌いなんだよ。俺に色目使ってくるし…。」
「へぇー…大変なんだねー…。」
普通に可愛くて歴としたメイドさんなのにそんなに文句言わなくて良いじゃん…なんて思うけどなぁ。やっぱり透って少し異性苦手だったりするのかな?
「だからさ、メイドって基本クソだと思った俺にとってさ、絵理子のメイドって最高に可愛くて。」
「…やだもう、照れる。」
「ははっ、今も可愛いけどな。」
透は持って来たお茶を飲みながらあたしの隣に座る。手には先程あたしを留守番させた時に持って帰って来た袋。
「…チョコ、食うか?」
「ちっ…チョコ…!」
突然の大好きなものランキング第二位の名前を耳にしたあたしは心が踊る。…ちなみに第一位は…ああもうっ!恥ずかしいから言わないもんっ!
「絵理子って何となくだけどチョコ好きだろうなぁーと思ってな。…好きだろ?」
「うん…!大好き!」
「ははっ、さっすが俺。絵理子の事良く分かってんなー。」
無駄に満足気な顔の透が持っているチョコはよりにもよってあたしの一番好きなやつ。今にもはしゃいでしまいそうなのをぐっと堪えた。だってはしゃいだらまた子供みたいじゃん…。
「…そんなに好きか?これ。」
「うん…大好き…!」
「ははっ、分かった分かった。食わせてやっから。…とりあえず手離せ。な?」
…どうやら無意識のうちに透の腕にしがみついていた様だ。声に出すのを我慢したら身体が動いちゃったみたい。恥ずかしくなったあたしは咄嗟に離れる。
「ははっ、本当に好きなんだなー。絵理子可愛いわ。」
…結局あたしはこうして透に子供扱いされる運命なんだ…。