世界一遠距離恋愛

「ほい、ただいまーっと。」
散々歩いてようやく到着した玄関の前で陽気にそう言う透。…えっ?ピッて言ったよね?鍵じゃなくてカード出してるよね?えっ、カードで玄関の鍵開けてる!?わぁ…やっぱりお金持ちって玄関の構造も違うなぁ。あまりの驚きに叫んでしまいそうだったけど外だから叫ばなかった。あたし、偉い!
「…えぇぇぇっ!?玄関広過ぎ!あたしの部屋くらいあるんじゃない!?」
扉を潜った後、外に聞こえないからいいやと我慢しかねて思いっきり叫んでしまった。だって…まるで別世界に来たみたい!えぇっ…絶対学校よりも広いよね?天井にシャンデリアとか扇風機みたいなのとかあるし!こんなのテレビに出てくる芸能人の家だよ…。
「お帰りなさい、透様。今日は帰りが早いのですね?」
「んー、サボった。親父にチクんなよ?チクったら解雇な。」
「こっ、困りますっ!」
「えっ!?めっ…めめっ…メイドさんだぁぁぁぁっ!」
突然どこからともなく現れたのは…文化祭の時にあたしが着た服を着たお姉さん。…本物のメイドさん!わぁっ…メイドさんってお金持ちの家にいるものなんだね…。
「今日やけに人数少なくね?」
「はい、今日は透様もご主人様も帰りが遅いと聞いていましたので…日中はお掃除係三人稼働となります。」
「はぁ?舐めてんだろ。ちゃんと働けや。」
「もっ…申し訳ありませんっ!」
あーあー…典型的なワガママお坊っちゃまじゃん。メイドさんになんて言葉遣い…。