世界一遠距離恋愛

「ふふっ、絵里子ちゃんったら秋風くんに愛されない時間がないんだからっ。」
「もぉー…恥ずかし過ぎるよぉ…」
さくらちゃんがあたしと透の写真を携帯の待ち受け画面にして見せて来る。…最早それを突っ込むだけの体力すら透に持って行かれた気がする。
「でも絵里子ちゃん、何だかんだで嫌がらないじゃん。ちゃんと秋風くんの事好きなんでしょー?」
「…うん。」
「ほらーっ!そうでもなければ普通恥ずかしくてあんな事出来ないもーんっ!」
本当はすっごく恥ずかしい。心臓バックバクだし、突き飛ばしてでも逃げ出したい。…でも、透だからそんな事しない。どこかで聞いた事がある。
『ガンを被った登山家が余命を宣告されました。その登山家はどうしたか。山に登ったんです。…するとどうでしょう。ガンが消えたんです。』
…だから、あたしは余命は関係ないって確信している。そして、好きな事で埋め尽くされると病気は治る、と。…透にとってのそれがあたしなら、あたしは精一杯応えたい。あたしの力で…もしかしたら透の病気を治してあげられるかもしれない。万が一それが無理だったとしても…透の人生、最後まで幸せと思わせてあげたい。…それがあたしの役目なんじゃないかな。