「…絵里子…愛してるぜ。」
「あたしもだよ…透。」
「会えなかった間に他の男に言い寄られてねぇか?」
「そんな事あるわけないじゃん。」
「ははっ、絵里子は高嶺の花だもんなぁ。可愛過ぎて誰も近寄れねぇか。」
「そっ…そんな事ないしっ!」
「まぁいいんだよ…誰も近寄らなくて。俺がいるんだから。」
透はそう言うとあたしを抱き締める腕に力を込めた。あたしも透の背中に腕を回す。あたしの大好きの気持ちが伝わる様に。
「…初めてのデート、どこがいい?」
「うーん…透のお家に行きたいなぁ。」
「俺の家、デカいだけで何もねぇよ?…いいのか?」
「いいの。…あんまり出歩いちゃ透の体に悪いもん。透と二人でゆっくりしたいのもあるし。」
「ははっ…どこまで優しいんだ。」
今は透が死んでしまうかもしれないという不安より、もうすぐ透が退院するという楽しみの方が大きい。久し振りの透とのキスがあたしをそうさせた。早く透が学校に来て、皆に透との関係を報告したい。恥ずかしい?とんでもない。透という素敵な男性とお付き合いしている事を誇りに思って。