世界一遠距離恋愛

「…絵里子、ありがとね。」
「え?何が?」
あまりに唐突に花奏が改まってきたものだから何のことやらさっぱり。…なになに、何に対する感謝?今日のお昼に飴あげたから?あ…飴あげたのは花奏じゃなくてさくらちゃんだった。
「いやぁ…透を変えてくれて、さ。」
「あたしが…透を?」
「そうそう。手術受けるって決意させてくれたのも絵里子だし、あいつを心の底から笑顔にさせているのも絵里子。あいつの幸せな人生は…絵里子が作っているんだよ?」
「ホントに?」
「ホントだよ。私、長く一緒にいるけど今より幸せそうに過ごしてた事なんかなかったもの。」
「なんか…恥ずかしいな。」
「ふふっ、そうやって恥ずかしがっちゃう所が可愛いんだってばっ。」
「可愛くないってばーっ!…でも嬉しい。」
透が幸せって思ってくれてるなら…あたしそれでいいんだ。あたしもすごく幸せだから。
「ふふっ、また病院行こうね。」
「明日行こ!明日!」
「明日は私生徒会の仕事が…。」
「えー!?」
「ごめんね?明日約束してたみたいなのに。…明後日、行こ?」
「仕方ないなぁ…。」
明日一日透に会えないと聞いただけでこんなに悲しくなるあたしって相当透が好きなんだなぁ…と思う。恥ずかしいから言わないけど!
「…早く明後日にならないかなぁ?」
透に会いたい。最近じゃそれで頭がいっぱいだった。

…しかしあたしはその明後日を迎えても、その次の日も…遂に一週間透の病院へ足を運ぶ事がなかった。