世界一遠距離恋愛

…しばらく何も考えられなかった。何も考えたくなかった。透くんがもうすぐ…死んじゃうかもしれない。戻って来るのを待ってる。約束した。だけど…今、息してないんでしょ?…お願いだよ透くん…もうちょっと頑張ってよ…。
「…ったく、女にモテるのは良いけど女泣かせる様じゃあいつも男としてはまだまだだなー。」
お兄ちゃんが皮肉っぽく良いながらあたしの頭を撫でる。
「…透くん、お兄ちゃんには言われたくないと思うよ?」
「いーや、俺の大切な妹泣かせるんだから。今度会った時にまた叱りつけてやらねぇと。」
お兄ちゃんはそう言ってあたしに冷たいジュースをくれた。
「…男はそう簡単に約束は破んねぇよ。特に男同士のは、な。」
「…あたし男の子じゃないもん。」
「ははっ、確かにもし秋風がお前と交わした約束を破ったらそれは最低な行為だな。でもな、俺も絵里子と同じ様に秋風と一つ約束を交わした。…文化祭の帰り際、お前に気付かれない様にそっと、な。」



「必ず帰って来い。そして…絵里子を幸せにしてやってくれ。」
「当たり前っすよ先輩。先輩に負けない良い男になって…絵里子をこの手で幸せにしてやります。」