世界一遠距離恋愛

「あれっ、絵里子。まだ帰ってなかったんだぁ。」
書道教室の前を通りかかり、あたしを見つけて声をかけてきたのは生徒会の仕事が終わった花奏だった。生徒会室と書道教室は近くにあるから、帰りがけに通りかかったのだろう。
「花奏!お仕事終わった?一緒に帰ろっ!」
「はいはいっ、もしかして待たせてたのかな?」
以前として半紙にハートを書き続けるなぎちゃんの元をそっと離れ、あたしは花奏と帰ることにした。花奏を待っていた訳ではないが、一緒に帰れる時には一緒に帰ろうと約束している。今日花奏と一緒に帰るのは予定外の事だったので、あたしは嬉しくて花奏の腕にしがみ付いて歩いた。