星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】


俺と百花が夫婦になって、
初めての年明けを迎えた一月。

俺たちは、Ansyalのメンバーといつものレッスン室で
練習しながら、その瞬間を迎えた。


雪貴が居ない時間、不安そうだった唯香ちゃんも
少しずつ今は安定しているみたいで、
百花の隣で笑顔を見せてくれてる。


後一年……。

来年のこの日を迎えられたら、
雪貴も高校卒業が間近となる。

そうすれば……隆雪から託されたこのAnsyalを
もう一度、光の下へ。



そんな俺が描くAnsyalのビジョンを明確にイメージしながら、
静かに祈願する年明け。


そして今年は、
俺にとっても百花にとっても家族が増える。


賑やかな一年が始まる予感がしていた。



実家や伊舎堂・亀城の両関係者の元へと
年始の挨拶回りを過ごし、
喜多川の家や、満永の家へも帰省する。



年始の慌ただしさから、
少し解放された一月中旬。



俺はその日、スタジオでの仕事を早めに切り上げて
とある場所へと出掛けた。



出掛けたその場所は入院生活の間からずっと百花が向き合い続けて完成させた
絵画をみたいから。



『星空と君の手』。



Ansyalの曲名でもあり、理佳の旅立ちの日に演奏したその思い出のタイトルが
作品名として名づけられたその絵を少しでも早く見たくて。