星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】



雪貴くんが留学して一ヶ月が過ぎようとしていた
八月下旬。

お姉ちゃんの命日まで後二日。

ここ一ヶ月、唯香は学校の部活の顧問として
忙しない日々を過ごしている。

雪貴くんが居ないと、唯香のことだから自分の食事もおろそかにしそうで、
それをフォローする意味で『ご飯作ってよー』っと
何度となく我が家に呼び寄せた。

私の方も託実が仕事で家を留守にすることも多かったので、
そう言う意味では、お互い様って言う言葉がいいのかな。

唯香のことを気にかけながらも、
私は自分自身の体の変化に気が付いた。

生理が止まった……。

体調を崩して遅れることも度々あったので、
今回もそれかなーなんて思いつつも、
そんな関係がなかったとは限らない。

避妊アイテムも使って行った肉体関係。

それでも……何が起こるかなんて神様以外はわからない。


託実の赤ちゃんが居て欲しいと言う気持ちと、
そうじゃないと思いたい気持ち。

複雑な心を抱きながら、私は薬局へと走った。

妊娠検査薬を購入して調べると、微かだけど陽性反応が出ていて
私はそのまま、その場に座り込んだ。


託実にはすぐに言えない。
妊娠検査薬が間違ってないとも言えないもの。


なんて何とも言えない理由を自分に言い聞かせながら、
私が連絡したのは、唯香の携帯だった。

「もしもし、どうしたの?」


電話の向こうから流れる
唯香の声に、力が抜ける。