星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】




『百花、俺の隣で未来を歩いてほしい』


入院生活の最中、病室で突然プロポーズされた私。


予想もしてなかった展開に、
私自身何がなんだかわからなかった。

だけど託実が私を大切にしてくれてる。

それだけは充分に伝わってきて、微笑みながら「はい」と頷いた。



そんな夢のような一夜が過ぎた今も、
私の薬指には、託実から貰った指輪が光を放つ。




「おはよう、百花ちゃん」


入院生活が始まって以来、
毎日のように朝、顔を出してくれる託実のお父様……宗成先生。


「おぉ、百花ちゃん託実からか?」


早速、薬指で光を放つもの気が付いて声をかける宗成先生。


「はいっ。
 昨夜、託実さんから頂きました」

「そうか……そうか。
 百花ちゃんがアイツを選んでやってくれたか……」


私が託実を選ぶって……
託実が私を選んでくれたって言う方が正しいと思うんだけど。


「そうだ……そうだった。
 宝珠ちゃんから頼まれてたんだよ」


そう言うと、宗成先生は改めて私に向き直った。


「私の姪に、宝珠と言う子が居てな。
 託実にとって従姉妹になるかな。

 宝珠が君に会いたいと言っていてね。
 どうだろうか?

 百花ちゃんさえ良ければ、宝珠たちにあってみないか?」


宝珠たちに?

今……たちって……言った。
たちってことは、宝珠さんだけじゃないってわけで。

でも託実のことを知ってる人には、
ちょっとでも会ってみたいって言う興味的なものもあって私は頷いた。


午前中のリハビリが終わって、昼ご飯をとっていた頃
再び姿を見せた、宗成先生は午後から、宝珠さんが来ることになったと教えてくれた。


託実に内緒で、託実の従姉妹に会おうとしてる私。

唯香や雪貴くんたちが来る時間までも、まだ時間は充分あって
空き時間にキャンパスに向かおうと思ってたものの、集中出来ないまま時間だけが過ぎた。



「百花さま、宝珠様がお見えになりました」


ノックの後、担当の看護師さんが静かに告げる。


「どうぞ」


緊張のまま、何と言っていいかわからなくて
少しひっくり返りそうなトーンで、短く告げる。