「託実……平気だよ」 そうやって紡ぐ私の声。 だけど言葉とは裏腹に、 私の声は、涙声。 「嘘……つき」 「平気だよ。 託実が私のところにちゃんと帰って来てくれるなら、 唯香や、お父さんたち、託実のお父さんたちと待てるから。 後は、お姉ちゃんとも一緒に」 そうやって告げると、託実はもう一度 先ほどよりも長い口づけを降らせた。