星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】


11月3日。
唯香と一緒に出掛けた雪貴君のピアノコンクール。


その日の夕方、お墓参りに出かけた私は
残酷な真実を知った。


私の最大のライバルは、
大好きな理佳お姉ちゃん。


ずっと託実を追いかけて、
託実が想っている大切な人に嫉妬してた醜い私。


最初から手に届かないと知りながらも、
託実が天界から、下界に降りてきてくれるから
その夢の中に溺れ続けた。


そんな甘い生活がピリオドを告げたあの夜。
あの日から私の時間は凍り付いたように固まった。




お墓から逃げ出すように駐車場へと向かい、
車を発進させた私は、満永の自宅へと車を走らせていた。




満永の自宅なんて、
遠い昔に私の居場所ではなくなったはず……。


合鍵なんて持ってないから、
遅い時間にも関わらず、私は玄関のチャイムを鳴らす。




「はーい」



スピーカー越しに聞こえてくるのは、
お母さんの声。



「モモです」



何も言葉に出来なくて、
ようやく紡げたのは名前。



「百花?
 お父さん、百花が帰って来てるわ」


そんな声が聞こえた後、
すぐに玄関の扉が開く。



「百花、どうしたの?
 こんな時間に……」



駆け寄ってくるお母さん。