蜂蜜ナミダ

**side雄飛
目が覚めたとき、俺は花梨が、胸にいた。
-雄飛っ!ね、遊ぼーよ!早く早くっ☆
毎年行く海。おい浜。今年も行こーなって、約束した。でも、あいつは、慶太先輩がいた。だから、諦めてたんだ。でも、俺には、あいつしか…-ハッ。
その時目が覚めたんだ。

『先生っ、楠木君が、意識を取り戻しました!』
『よし!』
俺、病院にいるんだ。あの時花梨を追いかけて、トラックにひかれた。
カレンダーを見た。7月。
もう、一カ月も経ったんだな。
『楠木君、わかりますか?』
「花梨、花梨!!…」
『花梨さん?あ、いつもお見舞いに来てくださる女の子ですね!』
「電話、あいつにしてください…」
かすれた声で…情けねぇ。