念入りに歯を磨いて、制服に着替えたら

「それじゃ…行って来ます…」

蚊の鳴くような声でボソボソ言ってお父さんと一緒に家を出た。

「あなたぁ〜アゲハちゃん、行ってらっしゃぁ〜い」

明るく元気一杯なお母さん

おどおどして小さくなってる小さなあたし

とても親子とは思えんぐらい似とらん。

家を出てしばらくお父さんと一緒に歩く。

名前の割りにエネルギッシュな風貌のお父さんは駅へ

名前の割りに鮮やかさのカケラも無いあたしは学校へ

それぞれ左右に分かれお互いの1日に向かった。