私は、夢を持っていませんでした。

本当は声優とか、作家とか、発明家とか、子どもらしく純粋に憧れてたりしましたが、


全部、潰されたのです。


「こういう職業、素敵だな」

なんて言った翌日からは、

「目指すんやったら朝ちゃんと起きなさいよ!!そんなんじゃなられへんよ!」

「もっとちゃんと調べたらどうなん!?ほんまになる気あるん!!」


目指す、なんて。

夢にする、なんて。


私は言っていないのに。

怒る材料にされるなら、もう夢なんか持たない。




そんなことも普通とは違う、とカウンセラーさんに言われたり。

自分の家庭の異常性と祖母の理不尽を知り、私は家で暮らすのが苦痛になってきました。

そして中2の夏。

私が生まれる前から飼っていた犬が亡くなりました。

その寂しさから、祖母は犬を飼いたいと言うようになりました。

私は強く反対。

以前ハムスターを育てられなかったことがあるので、自分にはもう生き物は飼えない、と思っていました。

飼うことを認めたら、私にだって責任はある。
でも世話なんかできない。

それに、以前の子より愛せない。 

けど、祖母はストレスからいろんな不調を訴え、反対だった祖父を味方につけました。

そして私の意見を押しきって。わんぱくなジャックラッセルテリアを連れてきました。

噛むわ暴れるわ鳴くわ。

やっぱり面倒なんかみられない。

世話に苦しむ祖母が犬相手に発狂したりしているのを見るの、辛い。

だから言ったのに。

飼わなきゃよかったのに!!

家族である私に愛されないこの子が可哀想で辛い。

だから、言ったのに...。



何度も家出を夢見ては計画し、無謀さに絶望。

3年生になってからは、ストレスで起き上がれなくまでなりました。

たぶん、鬱だったんだと思います。