「ねぇ、海斗くん。」

「なあに?」

「私のこと、好き?」

「好きだよ」

「ほんと?」

「ほんと。」

「どこにも行っちゃだめだよ...」

「大丈夫だよ。

ずっと僕が、守ってあげるよ。」

木の下に2人。風に揺れる木の葉の音。

賑やかな声が、窓で遮られて、

かすかに聞こえている。

少女の小さな体を包む、少年の腕。

暖かかった。

「絶対?約束だよ?」

「うん。」

交わした約束。

「忘れちゃ...だめだよ。」

2人を探す声。慌てて戻る2人。

「このことは、ないしょだよ。」