それでも君が好きで。





…でも、不思議と
キスされたことが嫌じゃなかった。



…やっぱり私、どこかおかしい。


樹里くんに、
こんなにドキドキするなんて。





私はちらりと樹里くんを見つめた。


樹里くんは上目遣いで私を見つめている。


ただ目が合っているだけなのに、
心臓が何故か高鳴っている。





(このドキドキの意味って何…?)



私はふと樹里くんの頬に
手を伸ばしていた。



「ひよちゃん…??」



樹里くんは最初、戸惑ったような
表情を浮かべていた。



けれど、私が頬に触れたままでいると、
その手に頬を寄せて手を握った。



「ひよちゃん、今日はどうしたの…?
やけに大人しくて、素直だね?」


手に頬を寄せたまま、樹里くんが尋ねた。