「…えっと……な、何?
昨日の今日だから、そんなに見られると
ドキドキしちゃうんですけど…」
顔を少し赤くさせながら、
樹里くんが言う。
「………………………………」
(……あ、なんか……めまい、が…)
ぐらりと揺らぐ景色に、為す術もなく
自分の体が倒れていくのを感じる。
「ひよちゃん!!!!」
(……あ、れ…?)
視界が揺られる中で、樹里くんの
焦った顔がうっすら見える。
「ひよちゃん、大丈夫…!?」
あ、そっか…私、倒れちゃったんだ…。
そういえば、背中が痛いや…。
「とりあえず、部屋に行こう!」
樹里くんが私を抱き抱えた。
「えっ…じゅ、りく…私、重た…いよ」
「今はそんなこと言ってる
場合じゃないでしょ!」
