「はぁ〜!ギリギリセーフ!」
教室にようやくたどり着いた私は、机に突っ伏す。
「おはよう、ひよ」
私の前の席に座る小学校からの親友、三橋 棗ちゃんが話しかけてきた。
「な、棗ちゃん…私、死んじゃう…」
「それはお疲れ様。今日も全速力で来たの?」
「はい…」
「あんたは毎朝余裕なしね。…にしても、梨本兄弟は相変わらず朝から人気ねぇ」
棗ちゃんが、教室の隅にいる郁ちゃんと樹里くんを見ながら言った。
「そりゃあ、ね…。二人ともカッコイイし…」
私はみんなに囲まれて話してる郁ちゃんをちらりと見ながら答えた。
「ほんと、あんたは羨ましいポジションにいるわね」
棗ちゃんが私の頬をツンとつついた。