*翌日*
─────「けほっ!!!!」
案の定、私は風邪を引いた。
「ゔ〜…」
ごろんとベッドで寝返りをうつ。
「…全く…雨の中、傘もささないで
いるから風邪なんか引くのよっ!」
お母さんがガミガミと怒鳴る。
「おまけに郁翔くんに迷惑までかけて!」
お母さんの言葉に、私はきょとんとした。
「え…?郁ちゃん…?」
何のことか、すっかり話が見えない。
「そうよ!わざわざ着替えまで
取りに来てくれたんだから!」
(着替え…?)
「あの、お母さん…?
話が見えないんだけど……。
昨日、私が一緒にいたのは、
樹里くんの方だよ…?」
私がそう告げると、お母さんは
目を丸くして私を見た。
「あらやだ、あれ樹里くんだったの?
お母さん、てっきり
郁翔くんかと思ったわ」
