それでも君が好きで。




「郁ちゃんのこと…誰よりも
分かってたはずのに……どうして…?
何で、私じゃダメなの……?」


涙に混じった声が、耳に響く。


「…もう……辛いよ……!」


シャワーが制服を濡らしていく中で、
俺は、ひよちゃんの確かな体温を
感じていた。



「ひよちゃん…」



彼女の涙を見るのはこれで何回目だろう。



彼女が泣くことが前までは
俺のせいだったことが、
いつの間にか郁翔のせいに変わっていた。



郁翔も郁翔でバカだ。

ひよちゃんの気も知らないで、
平気で結城と歩いたりなんかして…。



でも、俺もバカなんだ。


まだガキだった俺は、彼女を
困らせて泣かせておきながら、
彼女を結局好きになってたんだ。



でも、今は違う。