「ひよちゃ…!」
触れた肩が冷たい。
「冷たい…」
ひよちゃんをよく見てみると、
びしょ濡れだった。
「まさか、傘持ってなかったの…?」
俺が尋ねると、ひよちゃんは
こくりと頷いた。
「寒い…」
ひよちゃんは両肩を押さえながら言った。
「そりゃ寒いはずだよ…!
こんだけびしょ濡れになってたら…!」
俺は慌てて自分のカーディガンを
ひよちゃんにかけた。
「おいで!」
自転車の後ろに震えるひよちゃんを
乗せると、自分の家へと
向かって走り出した。
家に着くまでの間、背中から伝わる
わずかな温もりを感じながら、
頭の中で結城たちのことを
思い出していた…。
