「ありがと。でも、大丈夫」
結城はニコッと笑うと、俺の方を見た。
「あ、樹里くん!」
華やかな笑顔で歩み寄ってくる。
「えと、久しぶり…かな?
さっき、綾瀬さんには分かって
もらえなかったみたいなんだけど」
「……”さっき”…?」
俺は結城の顔を見た。
「え?あ、うん。
綾瀬さんに私、話があって…。
実は学校サボって待ち伏せてたの」
「じゃあ、さっきまでここに
ひよちゃんが居たってこと?」
俺が尋ねると、結城は頷いた。
「っ」
俺は慌てて自転車にまたがって
走り出した。
(ひよちゃんが、また一人で
泣いてるかもしれない…!)
嫌な予感しかしない。
こんな雨の中で
1人泣いてるかもしれないと思うと、
落ち着かない。
