「………あのさ、二人に
言いたかったんだけど」
郁翔が言いにくそうに切り出す。
「…何?」
三橋が次いで口を開く。
「……二人とも、なんか朝から
俺に対して素っ気なくないか…?」
郁翔がつぶやくように言った。
「…………………………」
三橋がそれを聞いてゆっくりと俯く。
(あ、多分コレは…三橋キレてるな)
俺は心の中で思った。
「…………ひよの為を思って
今まで言わなかったけど……。
ひよがいない今、この際だから
言わせてもらうわ……」
ゆらりと三橋が席を立った。
パンッ!!!!
もの凄い音が教室に響いた。
「あ」
俺は突然起きた目の前の光景に、
唖然とした。
そう、三橋が郁翔を引っぱたいたのだ。