「…はー!終わったー!」


俺は授業が終わって、
ようやく解放された気分になった。



「そんなことより、アンタ」


突然、三橋に教科書で後頭部を殴られる。



「いって!何すんだよ!」

「ひよは?どうしたのよ」

「あ?あー…体調良くなったから
なんか先帰るって」

「体調?」


三橋が首を傾げた。



「何?ひよ、体調悪いの?」

「さぁ…そりゃあ朝からあんなの
見りゃなぁ…」



俺はふと目の前の席にいる郁翔を見た。




「…何?」


俺の視線に気が付いたのか、
郁翔がこちらを振り向いた。



「…いや、何でもないけど。
そもそもお前に用すらないよ」


俺はそっけなく答えた。