それでも君が好きで。



「なんで三橋があんなに怒ってたんだ?」


ここまで郁翔が鈍感だと、
さすがに俺もイラっときた。



だけど、ひよちゃんの気持ちを
尊重するなら、ここで怒鳴るわけには
いかない。


俺は怒鳴りたい気持ちを我慢して堪えた。



「三橋にだって、いろいろあんだよ」


とりあえず、そう答えることにした。



「いろいろって?」


郁翔がやたらと興味あり気に尋ねてくる。



(なんっでいちいち細かいこと
聞いてくんだよ、コイツは…!)


「い、いろいろっつったら
いろいろなんだよ!」

「…じゃあ何?お前ら実は
付き合ってるとか?」

「ぶはっ!!!!!!」



突然の馬鹿げた郁翔の質問に
俺は思わず吹いてしまった。



「俺が三橋を!?ないない!!!!
100%…いや、1000%有り得ないから!!!!!!!!!」



俺は全力で首を横に振った。



「三橋にもそんな気持ち、
微塵もないからね!」

「…そうか?でも、あんなに怒るなんて
よっぽど…」



靴箱に着いた時、
外が雨が降っていることに気が付く。



「あれ?雨?」


俺は空を見上げてみた。
確かに、空が曇っている。



「マジかよ。俺、傘持ってねーんだけど」

「俺もだ」



二人で少しの間、顔を見合わせた。