少しずつ気分が
和らいでいくのを感じる。



(五時間目、サボろうかな……)


そう思って、俺は目を瞑った。





ーーしばらくして、どれぐらいの時間が
経ったのか分からない。




ふと、自分の額に冷たい感覚を感じた。


「…?」


ゆっくり目を開けると、そこには…。



「……ひより……?」




少しずつ寝ぼけていた頭が、
クリアになっていく。




目の前にいたのは確かにひよりだった。




「あ…」



ひよりは俺の目が覚めたことに
気が付くと、踵を返して逃げ出す。


「っ!…」


僅かな体力を振り絞って、
体を起こしてひよりの後を追う。