「おはよう、三橋」
ひよりの前の席にいる三橋に声をかけた。
「……おはよ」
三橋はツンとした言い方で返してきた。
「あ、あのさ。昨日ひよりが…」
と、切り出そうとしたら、
三橋がすごい勢いで俺を睨んできた。
「あ、いや…何でもない…」
有無を言わせぬ威圧感に気圧(けお)され、
俺は引き下がった。
「……ひよりなら、休みだから。
知ってんでしょ?昨日、ひよりが
うちに泊まったこと」
三橋は俺と目を合わさないまま答えた。
「あ、あぁ……そうなんだ…」
何でか三橋の態度が冷たいような…と
思っていると、ふと樹里が
席にいないことに気付く。
「あれ?樹里は…?」
俺が呟くと、面倒くさそうに三橋が
ため息をつきながら
「……保健室行ったよ。
お腹痛いんだってさ」
と、答えた。
