それでも君が好きで。




屋上に着くと、確かにひよちゃんがいた。


ひよちゃんは慌てて来た俺を驚いて見た。



「樹里くん…」



ひよちゃんは俺だと分かると、
ニコッと笑った。



「……ホント、二人はそっくりだね…。
自分に思わず笑っちゃうよ…」


ひよちゃんは屋上の金網にカシャリと
指を絡ませた。



「…昔、みんながよく間違う二人のこと、
私、ちゃんと当てて見せてたよね?」

「……うん」



確かにひよちゃんは、今まで
俺たち双子を間違えたことがない。



みんな、そっくり過ぎて見分けがつかない
って言う中で、ひよちゃんだけは
間違えなかった。



「二人とも何もかも一緒のように
見えるけど、ちゃんと性格も
何もかもが違う別々の人間だよ」

「…うん」

「…そんな二人の幼馴染みとして、
17年間生きてきた私の方が、
二人のことを誰よりも
分かってると思ってる…」



ひよちゃんは金網を握る手に
さらに力を込めた。



「…けど、どうして私は
そばに居られないんだろう…」

ひよちゃんが俯いた。




「誰よりも……郁ちゃんのこと、
分かってるはずなのに…っ…」




泣いているのか、ひよちゃんの背中が
小刻みに震えている。