「三橋、ひよちゃんは…?」
三橋は俺を横目で見た。
「…まぁ、あんたなら、
兄に言いふらすってことはしないか…」
三橋は小さく呟くと、
「兄に会いたくないから、って
屋上でサボるってさ」
と、俺に耳打ちするように答えた。
「あんたなら、別に
ひよのとこ行かせてもいいかなって。
朝、助けてくれたしね」
「え?」
俺は三橋の顔を見た。
「ひよ、だいぶ落ち込んでるみたいだから
慰めたいって思うなら、行ってあげて」
三橋はニコッと笑った。
「……ありがとな!」
俺は三橋に言うと、教室を飛び出した。
「はーぁ。あたしもあんな風に
素直な恋愛できたら良いんだけどなぁ…」
樹里の背中を見送りながら、
棗は小さく呟いた。
