「あ…」
ひよちゃんの微かな声が
背後から聞こえた気がしたけど、
振り向かないで歩き続けた。
今はまだここで話しかけるべきじゃない、
と、自分にそう言い聞かせて。
教室に着くと、クラスメイトの女子が
数名ほど俺に抱きついてきた。
「うおっ?!」
「ねーえー!今日こそ遊ぼーよ!!!!」
「約束したでしょー!?」
口々に言われるのを制す。
「わーかった分かった!
今日は遊ぶよ!放課後ね!」
「やったぁ♡絶対だよぉー??」
女の子達は嬉しそうに笑いながら、
どこかに行ってしまった。
気が付くと、三橋がいつの間にか来ていて
俺をじっと見ていた。
「うぉっ!?な、何だよ、見てたのかよ…」
「何股かけてるのかね?チャラ王子は」
三橋が口を開いた。
「かけてねーです。てゆーか、
遊んでる女の子はみんな友達ですぅ〜」
俺が答えると、
「じゃあ、ひよは?」
と三橋が尋ねた。
