「あ、いびきなんて……!全然です!
多分、私より棗ちゃんのほうが
規則正しく寝てるかと思います……」
私は苦笑いしながら答えた。
「あら、そうなの?棗のいびきって
実は凄いのよ?」
「こら、優里。
長話をさせてはひよりちゃんが
朝ご飯を食べられないだろう?」
新聞を見ていたおじさんが、
新聞から目を離しておばさんに言った。
「あ!そうね、ごめんなさい!
ささ、二人とも座って」
おばさんに促され、私達は席に着いた。
「あれ、そういえば楓にぃは?」
棗ちゃんがおばさんに尋ねた。
「楓なら、今日は授業が
午後からみたいで、まだ寝てるわよ」
おばさんが答えた。
「なーんだ。いーなー!
授業が午後からとか、
大学生羨ましすぎ!」
棗ちゃんがぶつぶつ言う隣で、
私は黙々とおばさんの美味しい
朝ご飯を食べ続けた。
もちろん美味しかったから、
ちゃんとおばさんにも後で
”美味しかったです”と伝えた。
ご飯を食べたあと、
行きづらいな…と思いつつ、
重い手取りで登校の支度をする。
「よし、支度できたし、
そろそろ行くか!」
棗ちゃんが元気良く部屋を出たのに
続いて私も部屋を出る。
