自暴自棄だと分かっていても、
自分でこの気持ちを止められる糸口が
見つからない。



ならいっそ、嫌われたほうが
マシだと思えた。



私は思い足取りでフラフラと歩き始めた。




どれだけ歩いたかとか、分からなかった。


とにかく気の済むまで歩き続けたかった。




郁ちゃんや、樹里くんに会ったとしても、
合わせる顔なんてないから。



「……ひよ?」


聞き覚えのある声が背後から聞こえた。



私はゆっくりと振り返ってみる。


「…あ…」



そこには棗ちゃんがいた。



「何してんのよ、こんなとこで」


棗ちゃんが私に歩み寄りながら言った。



「家に帰ってたんじゃなかったの?
こんな時間に制服で
ほっつき歩くなんてダメじゃん!」

「棗ちゃ…」


言葉を発そうとした時、
同時に涙が溢れだした。



私の突然の涙に、
棗ちゃんがぎょっとする。