「…ごめんね…」

「えっ…?」

「…ごめんね………私がしてきたこと、
許してもらいたいなんて思ってない…」



私はギュッと花束を持つ手に力を込める。




「…でも、私も……あなたのこと、
ずっと忘れられなかった……!」





この5年間であなたのことを
忘れた日なんてなかった。


忘れられるわけがなくて、
ずっと恋し続けてた。


身勝手だった私を許して欲しいなんて
望まないから、あなたを
好きでいることだけでも許してほしい。


そう思っていた矢先に
思ってもみなかった事態が訪れ、
私は動揺した。



「…っ、こんな、私でいいんですか…?
私は、あなたを傷付けてばかりだった
ダメで最低な女です…っ…。
それでも、いいんですか…?」


私が尋ねると、
樹里くんが私を抱き締めた。




「…俺が、君じゃなきゃダメなんだよ」

「…っ…」

「すべてのことを完全に
水に流そうとは言わない。だけど、
君に全部を背負わせるつもりもない。
だから、ゆっくり二人で全てのことを
許しあえばいいよ。ね?」

「…っ……」




私はこくりと頷いた。




「改めて、俺と結婚してくれますか?」

「はい…っ…!」


私は彼の手を取った。