そういえば、郁ちゃんから
手紙が届いていた。
郁ちゃんは、地元で
幼稚園の先生をしているようだった。
私の活躍を日々、目の当たりにして
すごいな、と言ってくれた。
それから手紙の最後には、
結城さんのことについて
少し書かれていた。
"それから、結城のことだけど。
あいつは親と共にアメリカへ渡った。
なんでも、アメリカに結城の病気を
治せるかもしれない医者がいるらしくて。
そこで、治療を本格的に始めている内に、
アメリカに移住も決めたみたいだ"
………と。
どうやら、靡かない樹里くんに
諦めもついたみたいだと
郁ちゃんは綴っていた。
…みんな、それぞれの道を歩んでいる。
ただ、分からないのは
樹里くんのことだった。
何故かみんな、樹里くんのことに関して、
分からないの一点張りだった。
