それでも君が好きで。




『また写真送るから、
元気出しなって!ね?』


棗ちゃんに励まされ、私は頷いた。


『なーなー!棗ぇ!
ちょっと聞いてよー!』


電話の向こうから、
八尋くんの声が聞こえた。



『ちょっと、橘うるさい!
ひよりと電話してんだから、
あっち行っててよ!』

『えぇー!?冷たい!あ。
あんなとこにキレーなおねーさんが!』

『橘ッッッッ!!!!!』





5年経っても二人は、
相変わらずのようだ。


「あ、棗ちゃん。
こっちは大丈夫だから、八尋くんとこ
行ってあげて?ね?」

『え?まだ話したいのにー…』

「ふふ。また今度かけるから」

『うー…分かった。じゃあ、またね』



私は携帯を置くと、窓の外を再び見た。