「…分かった…ひよちゃんが、
そう言うのなら…」
さぁ…と涼しい風が優しく部屋を駆け巡る。
「本音を言えば嫌だけど…それが、
ひよちゃんの決めた"人生"なら、
俺は、文句言えないね」
「…ごめんね」
私が言うと、彼はふるふると
首を横に振った。
本当にさよならなのだと思うと、
涙が出そうになる。
私達はきっと、前みたいな
幼馴染みにはもう戻れない。
これからは、普通にクラスメイトみたいな
関係に戻ってしまうと思う。
でも、空いた距離を保つのには、
これが一番なのかもしれない。
「…ねぇ、じゃあ最後にさ、
俺の願いも聞いて…?」
樹里くんが言う。