昔から郁ちゃんは、人からちゃん付けで呼ばれるのが恥ずかしいみたいで、いつも近所のおばさん達にそう呼ばれるのを嫌っていた。
でもなぜか私だけ対象外だったのか理由はハッキリしないけど、ちゃん付けで呼んでも嫌がったりしなかった。
それが未だに継続されており、他の人と違って郁ちゃんをそう呼べる特権を私だけが持っているようで、なんだか嬉しい。
「うわぁーん!お母さん!遅刻しちゃう!パンちょーだい!パン!」
私はキッチンにいる母に言った。
「もう!だからいつも早く起きて来なさいって言ってるでしょ?!」
「うぅ、だって〜…!」
「だっても何もありません!間に合わなくなるんだから早く食べて支度しなさい!」
「はぁい…」
慌てて朝食を胃へと流し込み、残りの支度をすべて済ませて玄関を飛び出す。
──「おはよ、ひより」
聞きたかった声が耳に届いた。
でもなぜか私だけ対象外だったのか理由はハッキリしないけど、ちゃん付けで呼んでも嫌がったりしなかった。
それが未だに継続されており、他の人と違って郁ちゃんをそう呼べる特権を私だけが持っているようで、なんだか嬉しい。
「うわぁーん!お母さん!遅刻しちゃう!パンちょーだい!パン!」
私はキッチンにいる母に言った。
「もう!だからいつも早く起きて来なさいって言ってるでしょ?!」
「うぅ、だって〜…!」
「だっても何もありません!間に合わなくなるんだから早く食べて支度しなさい!」
「はぁい…」
慌てて朝食を胃へと流し込み、残りの支度をすべて済ませて玄関を飛び出す。
──「おはよ、ひより」
聞きたかった声が耳に届いた。