「ふぁあ…」
授業も終わったし、
そろそろ帰るとするか…。
「あれー?樹里、帰んの〜?」
「うん!帰るよ〜。
またね、悠美ちゃん!」
「そーなの?残念~!
今日も遊べると思ったのに〜!」
「ごめんね〜。今日、用事あんだ〜」
「そっか、それなら仕方ないね。
でも、また遊んでよ?」
「もちろん!」
明るく答えて手を振り返して歩き出す。
「……ん?」
廊下を歩いていると、騒がしい連中に
紛れてひよちゃんの姿を見かけた。
「あ、ひよちゃ…」
声をかけようとしてやめた。
みんながなぜか窓の外を見ているから、
俺も窓の外を覗いてみる。
「…結城?」
そこには見知った女の姿があった。